Claire(トモ)のブログ

語学力ゼロ、コネもない状態からのスタート。まったく海外とは縁のない状態からでも海外で生活することはできる。飛び込んだ先は、レベルアップの楽園が広がっている。人との出会いの数だけ好きな国が増えていく。海外で生き抜くための情報を発信しています。

プロフィール Part2 〜伝わることの喜び〜


いよいよ大学での生活がスタートします。


まったく予備知識がない僕が入れられたのが…



初級ゼロ班!


初級者の中の初級者が集まる班です。


ニーハオしか知らなかったので当然といえば当然です。



理解度0%の授業


最初の授業に出て驚きました。


授業はすべて中国語で進んでいきます。


先生は、一切日本語で話してくれない。
というか、話せないらしい。



少しぐらいは、日本語で説明してくれるだろうと
思っていた僕が甘かったです。


ただただ、黒板に書かれた
意味の分からない漢字を書き写しました。



1番苦痛だと感じていたのが発音の授業です。


あれは、僕にとっては完全に罰ゲームでした。


先生が手本を見せてから…


「はい、あなたやってみて!」とジェスチャーで促します。



ひとりずつ回ってきます。


そして、自分の番がやってくる。



話すことが苦手な僕は、
音を出すことをためらっていました。


うまくできるまで何度もやらされます。


当然、他の生徒からも注目されます。


人の目に晒されたことで、余計に萎縮してしまう。


毎回のように、自分のところで止まってしまうのが
嫌で仕方ありませんでした。


もう二度とあんな風に注目されたくない。

それから、コソコソと発音練習をするようになりました。


発音を練習して上手くなりたいという気持ちではなく、
なんとかあの嫌な発音練習の授業をやり過ごしたい。


そんな思いで練習していました。



伝えるために悪戦苦闘


生活はというと…


学校内にあるホテルの1室のような寮に住んでいました。


2人部屋でルームメイトがいました。



その彼は、日本人なのですが、
僕とは正反対のアクティブな性格をしていました。


自分が話せないのもお構い無しで、
色んな中国人に声をかけていました。


しかも、すぐに仲良くなっている。


「彼は、何者なんだ!?」


僕には、魔法でも使ったように思えたものです。



そんな彼に引き連れられて、
中国人の集まりに行くことも度々ありました。


彼は自由な性格だったので、
急に用事を思い出して「あとはよろしく!」と帰ったりします。



当然、僕がその中国人たちの相手をするしかありません。


「ヤバイ、どうしよう!?」という
僕の気持ちなんか気にせず、


相手はガンガン色々と聞いてきます。



授業や単語帳で知った数少ない単語を
並べて伝えるしかありません。


発音ができないので、
単語を伝えるのにも一苦労でした。


言葉で表現できないことは、
ジェスチャーで伝えるしかありません。


電子辞書で必死に検索してみたり、
絵に描いてみたり。


伝えることに必死でした。


彼が自由すぎたおかげで、
実践する機会を何度も貰いました。


言い間違うことは日常茶飯事。


笑われたり、うまく伝わらないことばかり。


それでも、なんとか自分の言葉で伝えようと、
必死だったのだと思います。



このときばかりは、
人の目を気にする余裕がありませんでした。


あの手、この手で言葉を並べる。
手も動かし、身体も使って表現する。



「あぁ!分かった!」


相手がそう言うのを聞いて、
伝わったのが分かると、小さな達成感がありました。



「やった!伝わった!」


最初に伝わったあの喜びは、言葉にできません。



伝わらないのが当たり前の世界。
そんな中で、伝えることができた喜び。


今なら、きっと簡単にできてしまうことです。


その喜びがすべての始まりでした。



言葉は伝えるためにある。


相手に伝わるまで伝える。


それが、コミュニケーション。



それと同時に、自分の中にも伝えたいことや思いが
あることに気づきました。


ずっと昔からあったのかもしれません。


ただ、自分をずっと押さえつけてきたから気づかなかった。



自分の殻が少しずつ剥がれ落ちていくようでした。


大きく脱皮するのは、ずっと先の話です。





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